シニアからの光と色彩について
2022.04.29

こんにちは、設計担当の林です。
最近は老眼に悩まされることが多く、職業柄困ることも多々です。
今回はシニアになってから目に起こることを中心に、
生活環境の話を書いていきたいと思います。
【光について】
歳を取ると目の水晶体が濁ってくるので、ぼやけたり、まぶしく感じるようになってきます。
また低下する暗さにすぐに順応しないことが増えてきます。
(私は夜間の高速道路のトンネルの運転がすごく苦手になりました・・・)
そのために住宅の照明計画や窓(カーテンなども含む)の計画を行うときは以下のことに注意する必要があります。
・明暗コントラストを強くしない(特にフラットでない場所)
・まぶしさや手暗がり、不要な影による見えづらさを避ける
・内装材や家具、家電製品に光沢がある場合、光源の映り込みによる視覚的な不快さをなくす
家の中で上記のような場所はないでしょうか?
これからお家作りをされる方は気を留めながら計画いただけたらと思います。
【色について】
上記同様目の機能低下により、視認できる色数が減少してきます。
特に黄色いフィルターを通したような見え方になってくるので、
黄色と青系の色の認識が低下します。
(紺色の靴下を黒と勘違いして、片方別の組み合わせで履いたりするようになりました・・・)
また人は色を視覚だけでなく、皮膚感覚によっても感知するそうです。
歳を取ってからも色から受けるエネルギーや影響は配慮したいものです。
それをふまえて色の計画を行うときは以下のことを意識するといいと思います。
・色調の統一によるまとまりすぎた空間にはアクセントカラーを取り入れる
・段差のある場所は識別しやすい色使いで危険を認識させる
・くつろいだり、集中したい空間には対比色は疲れやすい傾向があることを考慮する
最近はホワイトカラーで統一されたり、グレイッシュやアースカラーを好まれる方が多いと思いますが、
タイルなど素材感のある場所でビタミンカラーを入れたり、段差に色のコントラストを付けられるのもいいですね。
その他お家作りには考慮する点がたくさんありますが、ぜひ上のようなことも参考にしていただけたらと思います。