2023.8.6

100人いたら80人くらいは、こうやるよね?の逆をやってみたくなるんです

戸建てリノベーション

家族構成 ご夫婦+お子様1人
年 齢 ご主人:40代 奥さま:30代
職 業 ご主人:自営業 奥さま:会社員
趣 味 音楽鑑賞、インテリア、器集め
間取り 5LDK→4LDK
リノベーション面積 107.74㎡
築年数 38年
場所 大阪府

ゆったりと響くジャズの音と、挽きたての珈琲の香り。

一つ一つの選定にこだわりと、持ち主の色を感じる、家具やインテリアが散りばめれた空間がありました。

今回訪れたのは、築38年の軽量鉄骨造の2階建てをリノベーションされたお宅。

こだわりは何と言っても、自然素材を十二分にあしらったLDK。温かみのあるブラウンを纏ったラワン合板を主役に、漆喰の壁や無垢の床材を使用した上質な空間です。

そこで、自分らしく家づくりを楽しまれた施主様のこだわりを伺いました。

 

家探し

もともと、リノベーションに絞って会社選びをする予定ではなかった施主様。しかし、最終的に選ばれたのはリノベーション会社ばかり。

万人に受けが良いお洒落さよりも、唯一無二のデザインがお好きなご主人。だからこそ、自分にあった家づくりができるリノベーションに自然と惹かれました。

最終的に2社で迷っていましたが、「無理してお家を建てるのは良くないから、ちゃんと計画を立てて進めていきましょう。」と言ってくれた営業さんの言葉に誠実さを感じ、美想空間さんを選びました。

そうして見つけたのが、駅から離れた高台にあるこのお家。

立地や出勤のしやすさは大切でしたが、ほどよく自然を感じられる環境や、レトロな外観の住宅街にご主人の心が動かされました。

いまのデザインにはない、個性的な外観にグッときました。

 

家づくりのヒント

参考にしたのは、建築家 吉村順三の「茅ヶ崎の家」。

実は、ご主人とちょっとしたご縁で繋がっていました。

大学は建築デザイン系の学部を出ていまして、1回生の時の課題で出たのが「茅ヶ崎の家」だったんです。

いざ、どんなテイストの家にしようか迷っていた時に、ふと頭をよぎったのが「茅ヶ崎の家」でした。

木をふんだんにあしらったシンプルだけれど洗練された存在感がある空間。そして、来た人を楽しませる遊び心が要所に施されたオリジナリティ。まさに、ご主人の理想が詰まった家でした。

意外なことに、ずっと憧れを抱いてきたわけではなく、大学時代はそこまで魅力的に感じなかったとか。数十年の時を経て、ようやく運命の出会いを果たされたということですね。

「茅ヶ崎の家」を参考にするなら、外せないのが板張りと漆喰の壁。自然素材で囲われた空間は、心にゆとりをもたらします。

ふと触れた時の手触りが良いです。自然素材ってやっぱり落ち着きます。
2階もすべて板張りと漆喰にしたかったんですけど、やっぱりコストも結構かかるので妥協することにしました。

▲2階のセカンドリビング。もともと個室所でしたが、階段に面した壁は一部撤去し、開放的な空間に。天井はLDKと合わせて板張りにしましたが、他は予算を抑えるため壁紙にしました。

 

予算を賢く抑えるために

すべての場所を板張りと漆喰にする理想は叶わなかったものの、それでもLDK部分は実現することができた施主様。

予算を抑えるために軸にしたことは、"追加工事ができるかどうか"。

後々、暮らしながら工事をすることが難しい部分や、面倒になって結局やらない可能性がある部分をきちんと精査しました。

例えば、収納スペースの扉とか。
コストカットできる部分ではありますが、常に綺麗に整頓した状態をキープするのは大変です。でも、こういうちょっとした追加工事ほど重い腰が上がらないと思ったので、最初から設けてもらうことにしました。

逆に、庭や玄関アプローチなどの外構や窓のやり替えは、住みながらでも工事ができるので、余裕ができてからにしようと思っています。

 

家づくりに面白さを見出して

LDKの中央にポツンと残る柱。耐震の構造上どうしても抜くことができない鉄骨柱でした。

はじめは、板を柱の周囲に巻いて木柱のように仕上げる予定でしたが、その時に待ったを掛けたのがご主人でした。

なんか普通に仕上げるのは、もったいないなと思ったんです。100人いたら80人くらいはこうやるよね?の逆をやってみたくなる性分なんですよね。それが良いか悪いかは置いといて(笑)

予算が限られているのにまったくもう…って感じですよ。

プランナーの石岡さんの受け入れ態勢が厚かったから、つい…ね(笑)もちろん予算も気にしていましたが、ちゃんとやりたいことは伝えるようにしました。

▲採用したのは、北欧家具のイスの背もたれや座面に用いられることが多いペーパーコード。建材で使われることはあまりないですが、ご主人の遊び心が新しいデザインを生み出しました。

 

自分好みのインテリアを追求する

もともと設計の段階から、どこにどんな家具を置くのか決めていたんですよ。例えば、あのスピーカーとかね。

SNSで流行りの家具を追うことはあまりしたことがないと語るご主人。今の好みやスタイルを大切に自分でお店を探すそう。

▲お洒落な天井釣りのインテリア…?かと思いきや、実はスピーカー。「listude」という奈良のオリジナルスピーカー製作所の作品です。「Listen(聴く)」と「Attitude(姿勢・態度)」を掛け合わせた造語で、聴くことでつくられる風景を大切にしているそう。

工事の段階でスピーカーを付けることが決定していたので、配線は天井裏に仕込みました。

▲世界各国で買い付けたアンティーク雑貨や自然物のアイテム、民芸品などを扱っている「LIGHT YEARS」で購入。石の形はこの世に1つしかないため、1点物の照明です。

▲北欧テイストの家具を手掛ける、大川家具製作所でオーダーメイドしたカップボードとキッチン背面収納棚。飲食系の自営業をされているご主人が選んだこだわりの器たちが、丁寧に陳列されています。

 

リノベの先輩からのメッセージ

リノベーションは、ハコの形を変えることも出来ないし、時には抜けない柱や壁だってあります。

おふたりが感じたリノベーションの魅力とは?

僕は縛りがある中で、なんだかんだやってみるのが面白いなと感じました。結局のところ、家づくりは自己満足。自分が納得いくまでしっかりと向き合えば、制限があっても満足のいく家が出来上がると思います。

いや…むしろ、ある程度決められた中で、自分の色を出していくっていうのが私たちには合っていたのかも。

でも、もっと制限されるのかなって思っていたんです。でも、間取りもデザインも予想以上に自由でしたね。もともと家にある物を柔軟に受け入れることができれば、リノベーションという選択肢は結構アリだと思います。

 

最後に撮影裏話。

撮影が終わって一息をついた頃、「どうぞ」と渡された手作りの注文票。なんと、お子様がお父さんの字を真似しながら頑張って書いてくれたのだそう。あまりの可愛さとホスピタリティさに、ハートを撃ち抜かれました^^

美味しいコーヒーとお菓子、そして素敵な器…幸せな一日でした。

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