長い時間をかけて完成した「こだわり」。あなたはどんな風に見せたいですか?
誰にも気づかれなくてもいい、「隠れたこだわり」を家づくりに込めて。
今回訪れたのは、築19年の木造3階建てをリノベーションされた施主様宅。
「暮らしやすさを考えると、目を惹く凝ったデザインは求めていなかった。でも、他にはないデザインにはしたかった。」と語る施主様。
暮らしやすさとデザイン性どちらにもこだわった家づくりとは?
リノベーションをしようと思ったきっかけ
こちらのお家は、奥さまのご両親と住むために建てられた二世帯住宅でした。
けれど、今は親子3人暮らしに。ご両親の居住スペースだった1階は、ほぼ空き部屋状態でした。
はじめはリノベーションではなく、新築を考えていました。
息子が小学校に上がるタイミングで、通わせたい学区があったので、そちらに引っ越そうと思っていたんです。
けれど、新築探しは良い条件の物件が見つからず難航。最終的に、お住まいの二世帯住宅をリノベーションして、一世帯住宅につくりかえることに。
色々な会社を検討しましたが、美想空間さんみたいに戸建てを売りにしているリノベーション会社さんって珍しいですよね。
あとは、ゴリゴリのインダストリアル系とかヴィンテージ系は憧れはしますけど、ちょっとね…。ちょうど良い塩梅のお洒落さ、これが叶えられる会社さんが良かったんです。
お子さまの成長に合わせて、生活感のある物が今後もどんどん増えていくだろうと感じた施主様。そこで、肩肘張らず気持ちよく暮らすことを優先し、美想空間と一緒に家づくりをすることに。
さりげない個性を大切に
キャンプ道具や、バイク、サーフボードなどをばっちり収納&お洒落に飾れる土間は、トレンドに左右されることなく大人気。
そして、よりかっこいい土間をつくるために欠かせないのが壁材。
人気のデザインもいいですけど、コレと出会った時、予算が上がったとしても使いたくて仕方がありませんでした。
土間の壁材で人気のラインナップといえば、OSB合板や有孔ボード、ラワン合板。けれど、施主様の中でピンとくる物はありませんでした。
そこで提案したのが、リボン状に細長く削り出した木材をセメントペーストで圧縮してつくられた「木毛セメント板」でした。
もとは下地材として使われていた建材なので、一見シンプル。
ですが、見れば見るほど目を惹くデザイン。コンクリート打ちっぱなしのようなかっこいい雰囲気と独特な質感が、さりげないお洒落さを発揮します。
あと、木毛セメント板には防音効果と断熱効果もあるんですよ。
収納面だけではなく、快適な作業場としても選んで良かった壁材ですね。
仕事柄、工具が手に入りやすいご主人。ロードバイクやスケートボードの他に、工具コーナーもディスプレイされていました。
今のお家の雰囲気に合わせて、以前使っていた家具の塗装や改造など、DIYを楽しまれています。
土間だけでなく、キッチンにもさりげない個性を
キッチンの背面は、グリーンの壁紙に白タイル。このデザインイメージは、施主様の中で外せないものでした。
でも、ただの白地のタイルじゃ面白みがないと思ったんだよね。
地味なこだわりなんだけどね(笑)
僕らがわかっていれば、それでいいかと思っています。でもやって良かったよね。気分を上げてくれる場所です。
よく見ると、白地に淡いくすみを纏ったタイルたち。くすみも均一ではなく、一枚一枚表情が違います。
仕事と打合せを両立するは大変でしたね…。でも、トレンドや人気なデザインは、どうもしっくりこなくて。榊原さんも大変だったかと(笑)
時間もお金も限界があるので無理はできないですが、そんな中で、これ「が」いいと思える物たちに出会えて本当に良かったです。
住み心地良さそうな穏やかな空間に、さりげない個性を散りばめられた施主様。
まさに、暮らしやすさとデザイン性、どちらも良い塩梅に叶えられた住まいです。
リノベの先輩からメッセージ
リノベーションするなら、若いうちにやるのがおすすめです(笑)
やっぱり決める量が膨大で、気力がゴリゴリ削られます。
なので、引っ越しまでの期間やお金を気にせず家づくりができるのであれば、じっくり時間をかけてほしいですね。
本当に、やって良かった!
キッチンに立って、家族が嬉しそうに暮らしている様子を見ると、特にそう思えます。
お金はかかるけど、そのぶん家が好きになって、帰るのが楽しみになるし、充実感も増すし…良い事づくしです^^
さいごに撮影裏話。
土間に飾られている壁掛け時計。フレーム部分が赤錆で覆われた、なんとも渋いヴィンテージ感。
実はこれ、奥様が生まれた時に購入された時計だそう。なんて素敵な記念品…!
このたび、1階のダイニングキッチンから土間にお引越し。木毛セメント板との相性も良い感じです!
リノベーションもそうですが、古き良き物を大切に使い続ける文化って良いですね。